成田市御案内人活動報告

2021年6月26日(土)
成田山奥之院祭禮300年成田祇園祭記念事業
第1回成田市歌舞伎講座「歌舞伎の音楽」

歌舞伎囃子方の田中傳次郎(たなか でんじろう)さんをお招きして、成田山奥之院祭禮300年成田祇園祭記念事業第1回成田市歌舞伎講座「歌舞伎の音楽」を開催しました。
今回は音で舞台を盛り上げる鳴物について、実演を交えて解説していただきました。
講座の内容の一部をご紹介いたします。

※感染症対策として、国の示したガイドラインに沿って実施しています。

田中傳次郎さんは能楽※葛野流(かどのりゅう)大鼓方で人間国宝の亀井忠雄さんを父に、歌舞伎囃子田中流前家元・九代目田中佐太郎さんを母に持つ、歌舞伎囃子方です。94年に「七代目田中傳次郎」を襲名され、歌舞伎囃子方の第一線で活躍されています。
※お使いのウェブブラウザ等の環境により、葛野流の「葛(かど)」の字が変わってしまいますのでご注意ください。なお、「かど」の字は草冠の下に日、その下につつみがまを、さらにその中に人を書き、人を囲うように左と下に線を引いたものとなります。

歌舞伎音楽の中で、囃子方は様々な役割を担っていますが、大きく2種類の演奏にわけることができます。1つ目は、客席から舞台をみたときに左側に設置される、「黒御簾」と呼ばれる専用の演奏スペースでお客様には姿を見せずに演奏をする「黒御簾音楽」。もう一つは、舞台上で演奏する姿を見せることとなる「出囃子」です。

黒御簾音楽

黒御簾音楽の実演として、出囃子ではほとんど使われることのない「大太鼓」などを用いて、開演、終演を知らせる儀礼的な演奏や、お芝居の情景描写、登場人物の心理描写が説明されました。

出囃子

ひな壇で全員客席を向いて演奏をする「出囃子」では、西洋音楽のように指揮者などがいません。お互いがお互いの呼吸を読み、演奏を成立させます。

長唄三味線と、笛・小鼓・大鼓・太鼓の演奏「獅子」

長唄「雨の五郎」(市川新八)

傳次郎さんは、「古典芸能だから難しいと思わずに、まずは歌の中に出てくる知っている言葉から物語を想像して楽しんでほしい。」とお話しくださいました。

参加者の声
〇歌舞伎音楽について詳しい解説を初めて受けました。とても興味深く拝聴いたしました。舞踊も含め、満足しました。
〇とても興味深く楽しかったです。お話も面白くて、全然飽きませんでした。ぜひ、舞台を見に行きたいです。
〇歌舞伎をよく見に行くのですが、今回のような音の説明は非常に良かったです。7月に歌舞伎を見に行くので、今日の説明を頭に入れて鑑賞したいと思います。